よくある質問


元素分析に関する質問

【ブランク】

ブランクとは?
ブランクとは、サンプルを入れずにCS分析ならば助燃剤とるつぼ、ONH分析ならばフラックスとるつぼのみでサンプル分析と同条件で測定を行って得られる分析値で、サンプル分析を行う際にソフトウェアで自動的にその値を差し引きます。 TC436、CS444などより以前の装置ではブランクは濃度で設定し、それ以降の装置ではエリアで設定します。 ブランクをログインすると便宜上、通常1gが重量として入力され、濃度計算されますが特に実際のサンプル重量が少ない場合はブランクの影響は大きく、正しく設定することが必要です。

【検量線】

検量線範囲について
通常検量線を作成する際は、測定するサンプルよりやや高い濃度までカバーするようにします。鉄鋼1gでの測定などでは同重量で濃度がやや高い標準物質を選びますが、検量線はピークのエリアで作成されるため、サンプルと標準物質の[試料重量×濃度]を比較し標準物質がやや上回るように試料重量を減らすことで対応できる場合もあります。

弊社で取り扱っている標準物質カタログの最新版です。

こちらよりダウンロードしてご利用ください。

 

【試薬の取り扱いについて】

1) アンハイドロン 501-171-HAZ 
脱水の役割をします。危険物第一類に分類(過塩素酸塩類)されるため、可燃物との混合を避け、高温や衝撃が加わらない場所に鍵をかけて保管します。容器のふたをしっかり閉めて保管します。
2) レコソーブ 502-174-HAZ
主にCO2ガスの吸収をします。劇物に分類されるため、鍵をかけて保管します。容器のふたをしっかり閉めて保管します。
3) カッパースティックス
商品の変更により以前より粒が小さくなって隙間ができにくくなっています。下に詰めるカッパーターニングスを密に入れるようにし、下にこぼれ落ちないよう確認してから装置に取り付けてください。
4) 石炭標準物質
多くの石炭標準物質は乾燥済みの状態で値付けされているため、測定前に乾燥が必要になります。標準物質に同封されている保証書の前処理方法の記載に従ってください。また、元素ごとに使用期限が定められていますのでご注意ください。
5) カラム(RHEN602・RH404用)

水素分析計で水素-窒素の分離に使われています。使用期限があり、期限を過ぎたものは未使用でも使えませんのでご注意ください。

 

【助燃剤】

助燃剤の役割とは?
高周波炉でCS分析を行う際、サンプルとともにるつぼに助燃剤を入れます。代表的な助燃剤の役割を下記に示します。

タングステン:サンプル燃焼に必要な熱を素早く発生させます。
スズ:サンプル溶融の温度を下げ、酸素とよく混合するように浴の流動を高めます。通常タングステンや銅とともに用います。
銅:サンプル燃焼に必要な熱を発生させます。通常は硫黄分析には向きません。
鉄:サンプルが導電性でない場合にタングステンやスズとともに用い燃焼を助けます。

【銅 助燃剤】

銅の助燃剤について
銅は炭素分析に有用な低ランニングコストの助燃剤です。注意点としては炭素ブランクがやや高いこと、燃焼で発生する酸化銅ダストがSO2ガスを吸着し硫黄分析が困難になることがあげられ、基本的には炭素のみの分析に使用します。銅の助燃剤を使用した後に硫黄の分析をされる場合は炉内の清掃、メタルフィルターの交換を行います。メタルフィルターは銅用のものを別にされると良いでしょう。

例外的に銅、マンガンなどの硫黄を分析する際、銅の助燃剤を用いることがあります。そのときにはサンプルと銅助燃剤が溶融するがダストが出ない範囲で高周波炉のパワーを調整します。

【酸素窒素水素分析での電力(電流)値】

ONH分析での電力(電流)値の決め方とは?
電極炉(インパルス炉)タイプの装置で測定する場合、基本的には融点以上沸点以下の温度になるようなパワーで分析します。未知試料の場合、まず十分低いパワーから昇温モードを使って昇温し電力を決定します。この時ピークトップよりやや高めのパワーを分析パワーとします。繰り返し一定パワーで分析し再現性を確認します。

【粉末サンプル|酸素窒素水素分析】

粉末サンプルで、理由があって試料容器を使用できない場合の分析方法について[ONH分析]
粉末サンプルは通常スズやニッケルのカプセルに封入し固体サンプルと同様に自動投入することが多いですが、測定元素、測定濃度によっては容器無しで分析が可能です。

1) 手動分析
通常はサンプルをセット後に新しいルツボをセットしアウトガスから分析が始まりますが、手動分析ではルツボのセット、アウトガスから始まり炉が開いてルツボに直接サンプルを投入します。炉に巻き込んだ大気を十分パージする必要がありますが窒素、高濃度の酸素はほぼ問題なく分析が可能です。酸素のベースラインが変動しやすいので、微量の酸素分析には向きません。

2) トップロード分析
手動分析と同様ルツボセット、アウトガスから分析が始まりますがサンプル投入には炉は開かずサンプル投入口が開いて脚の長いロートで直接ルツボにサンプルを落とします。 大気の巻き込みは手動分析より少ないです。金属の切り粉などによく使われますがロートに付着するような細かい粉末には適用できません。手動と同様微量の酸素分析には向きません。

【ニッケルカプセル】

ニッケルカプセルの閉じ方について
ペンチで閉じる方法と専用のカプセルプレス機で閉じる方法があります。サンプルによってはニッケルとサンプルが密着した状態で溶融する必要がありますので、作業者による差が出にくく同じ形に封入できるカプセルプレス機がおすすめです。

詳しい封入方法はお問い合わせください

 

【ニッケルバスケット】

ニッケルバスケットの閉じ方について
バスケットは主にチタンなどの高融点金属のON分析に用いられます。ピンセットを二本用意し、一本でバスケットを持ち開いている口を上にしてサンプルを入れます。もう一方のピンセットでバスケットの巻き終わりの部分を内側、水平に押すようにして中のサンプルが飛び出さないようにします。

質量分析に関する質問

【分析条件】

PegasusBT/PegasusBT4Dは精密質量を測定できますか?
できません。本機種は、高速スクリーニングを目的とした設定のため、整数でのデータ記録様式です。精密質量の測定を希望されるお客様へは、精密質量タイプの質量分析装置である、Pegasus GC-HRT+をお勧めいたします。

 

【解析】

LECOはメタボロミクス専用ライブラリーを持っていますか?
LECO/Fiehnメタボロミクスライブラリーを供給しております。このライブラリーを用いると化合物同定には脂肪酸メチルエステルを基準にした保持指標(RI)の確認が可能です。また、TOFMSスペクトルで作成された唯一のメタボロミクスライブラリーですので、LECOのデータとの一致性が高くなります。

 

【ヘリウム供給不足について】

GC-MSのキャリアガスに水素を使うことはできますか?
弊社GC-TOFMSでは全機種、水素を使用して問題ないことが確認されています。
  • 速い線速度で用いることにより、ヘリウムと同等の分離能が得られます。ただし溶出位置は変わるので、ルーチン分析のメソッドやリテンションインデックスの見直しは必要です。
  • 感度は化合物によって変化します。
  • 水素との反応によるマススペクトルのシフトは現在のところ観測されていません。
  • 水素は爆発しやすいため、GC本体に水素センサーの設置が必要です。また、ボンベではなく、使用量のみ供給する水素発生装置をお勧めします。
注)一部配管の変更などが必要になります。詳しくは弊社技術サービスにお問い合わせください。
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