LECO Japan

材料分析について

作成者: Tim Dawson|2020年10月296日

1. 主な材料分析の内容

材料分析における主な事例として、発生ガス分析、組成分析、分子構造解析等があります。
工業材料はさまざまな形状のサンプルがあり、目的に応じて色々な装置を使用して分析および解析を行います。
LECOでは高分子材料の発生ガス分析、熱分解生成物分析、添加剤分析、劣化解析などに有用なGC-TOFMSを提供しております。

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2. 様々な分析目的に応えるGC-TOFMSラインナップ

LECOのGC-TOFMSは分析目的に合わせた2つのシリーズをラインアップしております。
高感度フルスペクトルにより微量成分の検出が可能なPegasus® BTシリーズ、優れた質量精度と各種解析機能を備えたPegasus® HRT+シリーズ、さらにGCは通常のGCに加えてLECO独自のGCxGCにアップグレードすることも可能です。LECOではお客様のさまざまなニーズに応じた材料解析手法をご提案しております。

 

  熱分解装置 HS・SPME 加熱脱離 においかぎ
Pegasus BT 1)
Pegasus BT 4D 1) 2)
Pegasus HRT+
Pegasus HRT+4D 2)
  1. Pegasus BTシリーズは汚れに強いStayClean® Ion Sourceを採用しているため、熱分解生成物測定においてもメンテナンス不要で 感度が維持できます。
  2. 通常の一次元GC仕様で使用可能です。(モジュレーションのon/offでGCとGCxGCは切り替えが可能です。)

3. LECOの装置が選ばれる理由

優れたデコンボリューションアルゴリズムによる自動ピーク検出

LECO独自のGCxGCシステム

Pegasus BT Pegasus HRT+
  • メンテナンスフリーのイオンソース
  • 最大50000の分解能・1ppm以内の質量精度
  • FFPテクノロジーによる感度向上
  • KADASによるデータ軽量化(1データあたり数100MB程度)

4. GCxGC-TOFMSによる微小差異解析ワークフロー

Lot間比較や競合他社品分析、不良原因解析等の微小差異解析は、材料の組成の複雑化に伴い非常に困難な解析になっています。GCMSを用いることにより、添加剤、発生ガス、表面付着物等に関する情報を得ることが可能ですが、これまでは既知の化合物の分析、いわゆるターゲット分析が中心でした。しかし、ターゲット分析中心の手法では原因が特定できないことが多くあります。そのため、組成をより網羅的にとらえてより多くの情報を得ることにより、これまで見落としていた差異をとらえることがきると考えられます。
LECOではこのような微小差異解析にGCxGC-TOFMSを用いた微小差異解析ワークフローを提案しております。LECO社オリジナルの統計比較ツールStatistical Compareによりデータアライメントを行い、多変量解析ソフトを組み合わせて解析を行うことにより、膨大な成分の中から差の原因となる化合物を特定することが可能です。

【分析事例】

GCxGC-TOFMSおよび多変量解析を用いた黄変原因探索ワークフロー

5. 高分解能GC-TOFMSによる未知化合物の構造推定

材料分析は、成分分析・不純物分析など、品質向上や製品の不具合解析を目的として実施されますが、調査対象物質が未知の物質である場合も多くあります。高分解能TOFMSは精密質量を測定することにより未知化合物の組成式を決定し、その構造解析に大きく寄与します。LECOのPegasus HRT+は優れた質量精度と組成式算出機能により、従来のライブラリー検索では該当化合物のないUnknownピークについて、信頼度の高い組成式決定が可能です。さらに、LECO社独自の総合評価システムは、複雑組成成分や元素組成の絞り込みが行えないまったくの未知成分であっても唯一の組成式を提供します。

【分析事例】

精密質量GC-TOFMSを用いた未知化合物同定へのアプローチ

6. 高分解能GC-TOFMSによる差異解析

近年、高性能・高付加価値を有する材料開発が求められており、材料の微小な差異を捉えるだけでなく、差の原因となっている新規化学物質や未知化合物等を同定することも重要になっています。
LECOのPegasus HRT+は優れた質量精度と総合評価システムによる構造推定機能に加えて、Mass Defect Plotによる各種解析機能を備え、詳細な解析をシステマティックに効率よく行うことができます。
LECOでは高分解能TOFMSとMass Defect Plotを用いた下記のような微小差異解析ワークフローを提案しております。

【分析事例】

GC-TOFMSを用いたアクリル樹脂の劣化メカニズムの究明